コーダ☆マインド

耳の聞こえない親を持つ聞こえるシオンが考える、コーダのことや手話のこと。

【ろう児教育支援27】ツインズ

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ふたご。

それは人が誰しも一度は憧れる兄弟姉妹の形。
ろう児はふたごの男児でしたが、私のまわりはふたごだらけでした。

1年生のときの難聴学級担任の、マサヒト先生はお子さんがふたご。
「男の子と女の子のふたごなんだよ」
この時点では、「そんなこともあるんだな」くらいの私でしたが、

【ろう児教育支援26】「小学校、むずかしい?」 - コーダ☆マインド

ここで書いた一卵性双生児(男児)がいました。
一卵性双生児の男児ふたりは、交互に私のところにやってくるので、全然見分けがつきません。
どう見ても同じ顔です。
その学年の子らや先生方に話を聞くと、
「全然性格が違うよ?」
と言われるのですが、毎日見ていないので、私には見分けることはできませんでした。
さらに言うと、どちらも自分ではない方の名前を名乗るので、ずっと騙されていた感が否めません。
やんちゃなふたごでした。

ろう児の同級生には、男の子と女の子のふたごがいました。
あまりふたごっぽさは感じませんでしたが、ふたごの場合、授業参観や親子レクなど学校行事があるときには、子どもひとりに親ひとり付かなければならないときがあり、ろう児の保護者もそうなのですが、お父さんもお母さんも参加されていて、普通の兄弟姉妹とは違う大変さがあるな、と思って見ていました。

そしてなんと、2年生から難聴学級担任だったナカガワ先生は、ご自身がふたごでした。
「私もふたごなのよ。おんなじ顔がもうひとりいるの。」
と言われたときは、心底驚きました。
「ふたごがふたごを教えている…」
なんだか不思議な感覚でした。

ろう児のふたつ下の学年には、女の子の一卵性双生児がいました。
休み時間になると、
「シオン先生、手話を教えてください!」
と私のもとへ足しげく通って来ました。
体が小さなふたりはとても可愛らしく、性格は真面目で、真剣に手話を学んでいた様子はとても印象に残っています。
他のお友達と一緒に来たり、ときにはひとりで来たり、時間を作っては熱心に私のところへ通ってきました。
こちらの一卵性双生児(女児)は私にも見分けがつくようになりました。
性格が違うし、声や喋り方が違うのです。
だんだんと顔が違うのも分かるようにはなりましたが、遠目だと背格好は一緒でした。

「ちょっとふたご率が高くないかな?」

不思議な環境ではありましたが、ふたごのろう児や、そのほかのふたごとの出会いは、私の人生の中でもユニークな出来事です。

 

地域の公立小学校(ろう学校ではありません)にて6年間、耳の聞こえない児童ふたり(ソラとリク)に手話を使って支援をしてきたコーダの私(シオン)が感じたことや考えていたことなどを書いています。大勢の聞こえる子どもたちと一緒に過ごした日々を少しづつ紹介。聞こえない世界と聞こえる世界の狭間から見えていた様子を、少しでも感じ取っていただけたら幸いです。