コーダ☆マインド

耳の聞こえない親を持つ聞こえるシオンが考える、コーダのことや手話のこと。

手話通訳士試験のこと その1

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私は手話通訳者全国統一試験を受けて手話通訳者として登録し活動してから4年目に、手話通訳士試験(手話通訳技能認定試験)を受けました。
まず、この4年間についての話を書きたいと思います。

手話通訳者1年目

まず、右も左も分からない状況で、県の手話通訳者として登録しました。
なにがどう分かっていないのかすら分からないので、とにかくひとつひとつを丁寧にこなすということを意識して活動していました。
何をやっても初めてのことばかりでしたので、「知らないことを経験する」というストレスがとても大きかったのを覚えています。
手話通訳者が現場で実際にどう動き、何に気を付けて、どのように通訳を行うのか。
1年目はとにかく通訳者として学び、新しく知ることや身につけることが多い年でした。
なにより、「私は手話通訳者なのだ」というプレッシャーを強く感じすぎてしまい、それまでは「手話通訳者をめざす学習者」という立場で、ある意味楽しんでいられた部分もありましたが、試験に合格しプロの立場になると、楽しんでいる余裕がまったく無くなりました。
学習者から手話通訳者への意識の移行がものすごく苦しかったです。
統一試験はひとり合格だったため同期がおらず、同じ立場で話せる相手がいなかったのもつらかったです。
この1年目が、とにかく一番つらかったと言い切れます。

手話通訳者2年目

1年目の時からなのですが、県の手話通訳士会が開いてくださった「手話通訳士を目指す人のための学習会」に参加しました。
1年目も2年目も、自分の実力的にはまだまだ士には足りなすぎる!と感じていましたので、受験はしませんでしたが、この学習会には参加して過去問などに取り組みました。
通訳者としては2年目でだんだんと慣れ、1年目のような気持ちの苦しさは無くなっていきました。

手話通訳者3年目

実はこの3年目が大変で、身体を壊し休職しました。
小学校での支援員の業務が大きな負担となり、休職をやむなくすることに。
ですので、士試験どころではなく、この年は身体と心を回復することに努めました。

手話通訳者4年目

この年の春頃には身体も心もそれなりに回復してきており、秋(10月)の士試験に向けて本格的に学習を始めました。
手話通訳者1年目~2年目の頃には、まだまだ実力不足と感じていた私でしたが、4年目くらいになると、だいぶ通訳経験も積んできており、自信もついてきていました。
ですが、士試験の難しさは重々承知していたので、とにかく必死で試験勉強をしました。
10月の試験に合わせて逆算をし、繰り返し過去問を解きました。
そうすることで、自分の苦手な分野が分かってきます。
点数が取れそうなところはいいとして、自分が特に分かっていない「社会福祉制度」については、社会福祉士のテキストなどを読んだり、インターネットで資料を読みまくりました。
手話の実技「聞き取り」と「読み取り」は、DVDをほぼ毎日見て、練習に明け暮れました。
手話漬けの生活でした。

 

では次回は、試験日当日のことを書こうと思います。